2005年08月28日

ミリオンダラーベイビー(劇、5)

私のおすすめ度:★★★★★

クリントイーストウッドというと
小学生の頃たまたまテレビで観た「荒野の用心棒」で、私はファンになりました。
まさに西部劇のヒーローでした。
それが、「ダーティハリー」シリーズでアウトローの警官を演じ
「ダーティハリー3」や「ガントレット」の頃は少し見飽きたという感じになりました。
それどころか、威張ったおじさんでいやなやつだなという気持ちを持つようにさえなり、ほとんど興味を持つことはなくなりました。

当然ながら、アメリカのどこかの市の市長であったことは知っていますが
どんな施策をする市長だったかは知りませんし、
(最近、知った情報によると共和党だったとか?やっぱりそのころはいやなやつだったのかも?)
その後多くの映画の監督をし、数々の賞を受賞しているという事実しか知りません。
つまり、私の興味の対象から全く外れていたわけです。

でもこのミリオンダラーベイビーはとてもすばらしい映画でした。
こんなに感動したのは久々だったので思わずパンフレットも買ってしまいました。

映画の前半はある女性ボクサーのサクセスストーリーとして描かれていますが、
常にどこかに悲しい寂しい雰囲気でストーリーが展開してゆきます。
そして、タイトル戦。悲劇が起こります。

映画を見終わった後、しばらくはこの映画のことばかり考えていました。
主人公のマギーにとって人生とはどんなものだったのだろう?
マギーにとって自分の身体を動かすことが最も生きていると感じる瞬間だった。
その身体を動かすことが、絶たれてしまった彼女にとって
生きている意味は無くなってしまった。
しかし、確実に生きていた瞬間があった。
その事実があれば彼女は満足だったのだろうと思いました。

そしてもうひとつの疑問
「どうしてイーストウッドはこんな映画を撮ったのだろう?」
そんな疑問がしばらく頭から離れませんでした。

結論は出なかったけれど、一つだけ言えるのは
彼の現在のテーマは「死」なんだろうということです。
「死」とは、あるいは「生」とは何かという疑問をこの映画は
観客の一人一人に投げかけています。

この映画の結末には賛否両論あるだろうと思います。
安楽死否定派の私としては、否定論者になるのがもっともな話でしょうが、
こんな結末もあっていいんじゃないか。というのが、私の感想です。
とにかく考えさせる映画であることは間違いありません。

レモンパイのエピソードは原作にはないということらしく、
イーストウッドの創作でしょうか。
このあたりが日本映画とはセンスの違いを感じます。

映画全体のセンスも良く、音楽もいい。
音楽担当もクリントイーストウッドと知り、才能の豊かさに驚かされました。
他のイーストウッド監督作品も観てみたいと思いました。

それにしても主演のヒラリースワンク。とても輝いていました。
まさに映画の人物そのものになりきっていたし、
映画よろしく一発でノックアウト。ファンになりました。
アカデミー賞2回目受賞というのもうなずけます。
モーガンフリーマンも良かったし、いい映画です。

”デインジャー”というまったく才能の無いボクサーが出てくるところで
物語に一味ついています。まさしく「生」とは何かを問いかけているようです。


最後に一言:久々にもう一度見てみたい映画でした。


posted by 中年映画少年 at 23:24| Comment(1) | TrackBack(1) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
検索で貴記事を発見!拝読させて頂きました。

>「どうしてイーストウッドはこんな映画を撮ったのだろう?」

やっぱり年取ったんですね。
私も老いを感じてから、より深く考えるようになりました。

ということで、是非、私の記事、TBさせてくらさい。
(ブログの趣旨にそぐわないと判断された場合には、遠慮無く削除して下さいませ)
Posted by カゴメ at 2005年11月10日 00:03
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Tracked: 2005-11-10 00:05
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